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2014年4月5日土曜日

【Kindleおすすめ本】サトルの「鋼のメンタル」に笑みすらこぼれるサバイバル マンガ「サバイバル」

 東日本大震災から3年も経ち、未だ現地では復興への努力がされています。私は大阪住まいであり、表向きには「なんとか支援しなくては」「忘れてはならない、あの日の事を」という態度を示すものの、本心では他人事という感覚があるのは否めない。

 そんな中でたまたま見つけたこのマンガ、さいとうたかを著作の「サバイバル」何となくAmazonでたどり着いたのですが、レビューを見ると、文句無しの高評価。全十巻で、1冊あたり300〜400円という事もあり、とりあえず1巻から試しに買って読んでみる事にしました。

 これが、私のマンガ読書史(おおげさ)に大きな影響を与えた事は言うまでもありません。

舞台は崩壊した日本

 主人公のサトルは、夏の終わりに友達と山の洞窟探検に入ったさなかに、大地震に見舞われます。気がつけば崩落した洞窟に取り残され、やっと外に出られたときに見渡すのは一面の海。山にいたはずなのになぜ。いったい何が起こってしまったのか、理由もわからぬまま、サトルは救助を待つため、たった一人のサバイバルが始まります。

生き抜くための豆知識が満載

 サトルは過去に家族や知人から教わった知識をうまく利用して、極限の状況を生き抜いて行きます。襲いかかる災難は読む人の想像を大きく超えています。しかし、近年の能力バトルものにありそうな「先天的な才能が開花し、トンでも能力で解決する」わけではなく、「現実に存在するサバイバル知識を存分に使い、なんとか生き延びて行く」という描き方です。確かにマンガ的な運の良さでサトルは難を逃れるケースはありますが、それでも読む側が得られる情報は非常に濃密です。

・野営をするときは食べカスを放置してはならない。ネズミが湧く。
・冬に外で大便をするときは、ためるだけためて、短時間で一気に放出するようにしなければ、凍傷になる。
・生魚はビタミンcが豊富なので、たまには焼かずに食べた方が良い。
・ザリガニは眼病に効く

 などなど。

サトルのメンタルが笑えるぐらい強い

 物語が進むうちに、サトルは色々な人物と出会います。しかし、その大半はこの崩壊した世界に絶望しています。そのほとんどは正常な精神を保っておらず、奇行を繰り返します。そんな状況を目の当たりにするサトル、ときには絶望し、涙を流す事もありますが、そのつど踏みとどまり、「負けるもんか!」と強い気持ちで前進して行くのです。
 最初は自分で取った鶏肉でさえ食べられない偏食だったのに、木に大繁殖した毛虫を見て「これ、食べられるんじゃないか?」といって焼いて食べたり、ミミズを「これは、うどんだーーー!」といって茹でて食べたりする強者になって行くのです。
 サトルのメンタルの強さは、凶暴な獣に立ち向かうまでに成長します。未成年の男子が一人で戦うなんてとんでもない相手にさえも「あれが食べられれば、いったい何日分のごちそうになるんだろう」と、とにかく生きるためには手段を選ばない強戦士に成長します。

子供に読ませないといけない漫画の一つ

 子供に読ませたい漫画、歴史を学ばせる意味で「はだしのゲン」を挙げる人はいますし、学校の図書室にも並んでいましたね。でも今のところ憲法9条が守られている今については、正直、絵空事であります。しかしこの「サバイバル」は、明日にでもやって来るかもしれない「南海トラフ地震」のシミュレーションとも言える内容です。将来起こりうる大災害。今ある生活は人が作り上げた構築物であり、地球の力には無力である事。そして自然の力のみで生き抜く力を知らせてくれる。義務教育中にはかならず一度は読ませたい作品です。

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