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2016年2月10日水曜日

清水健「112日間のママ」を読んで

あまり有名人の自叙伝というものには興味がなかったんですが、今回この本については、どうしても読みたかった。

清水健さんは、読売テレビのアナウンサーで、毎日夕方の「かんさい情報ten.」のメインキャスターを務められていて、シミケンのニックネームで知られている。

たまたま休日だった日に、なんとなくかんさい情報ten.を見ていた時、シミケンさんがオープニングで、「長期間休んでしまい・・・」と言った挨拶をされていた。調べてみると、奥さんの看病をしていたとのことだった。重い病気なのかと思ったら、その挨拶の結びに「妻を見送ることができました」とおっしゃられ、そこで亡くなったことを知った。

奥さんは乳がんを患い、29歳の若さで逝去された。お腹には第一子が身ごもっており、子供に影響のないように、本来なら投与すべき抗がん剤の治療を軽くするなどの措置をとらざるを得なかったようだ。

この本では、そんな奥さんの闘病と、シミケンさんの苦悩が、シミケンさんの文章で綴られている。

なぜこの本を読みたかったのかというと、私も似たような境遇があったからです。

私の母はスキルス胃がんを患い亡くなりました。母子家庭であり、姉がいたのですが東京在住であったため、私は仕事の傍ら母の看病をしました。重い病気を患った人の看病は肉体的にも精神的にも辛いものがあり、お互いにギスギスしたりもしました。

治るのかどうかわからない、専門用語が飛び交う治療に辟易することもありつつも、周りの親しい人たちに支えられて来た記憶がよみがえりました。

生後たった3ヶ月で母を亡くすということは、筆舌に尽くし難く、シミケンさんの悲しみは想像を絶するものだと思う。それなのにその感情を表に出すことなくテレビに出続けているのは、本当につよい人なんだと思う。

そして、私の息子は2014年10月に誕生しました。ちょうどシミケンさんの息子さんと同じ年月で生まれたことになります。今、目の前で息子が嫁さんとニコニコ遊んでいる状況が、いかに得難い幸せなのかをかみしめています。

巻末に載っていた、家族の写真。お母さんに寄り添うお子さんの写真を見て、グッと涙が出そうになりました。「一期一会」と言いましょうか、今まで当たり前のように過ごしている嫁さんと、子供との時間、キラキラ輝く大切な時間だと思うようになりました。

自分の弱さをここまでひけらかしていただいたシミケンさんに感謝します。


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